大手生保の保険に加入している人の保障見直しのポイント
こんばんは。
保険に加入する人のきっかけは様々だと思います。
・たまたま職場に来ていた生保営業担当から、勧められるがままにあまりよく分からないけど加入したという方
・結婚して子どもを授かったタイミングで必要性を感じ、保険ショップで色んな保険を比較しながら加入したという方
・とにかく保険料を抑えるためにネット生保で手探りで加入したという方
どのような形であれ、一家の大黒柱という立場であれば、よほどの富裕層でない限り保険の加入を検討することがあると思います。
また、加入を決めた方は、自分に万一のことがあった時のために家族のために残してあげたいという、家族を思いやる気持ちがあったことと思います。
◆掛け捨ての保険で月に2万円近く払っている方
終身保険は、保険を解約する場合に支払った保険料のほとんどが還ってくるものが多いため、保険料が高いことが一般的ですが、掛け捨ての保険は支払った保険料がほとんど還ってこないため、保険料が割安となります。
ですが、保険料が掛け捨てであるにも関わらず、小さい子供を持つ責任層は、万一の時の経済的なリスクが大きいため、死亡保障や介護保障・医療保障がフルに備わっている充実した保険に入ることが多いです。
私の知人でもそうですが、大手生命保険会社などを通じて、30代でも1.5~2.5万円程度の掛け捨ての保険に入っている人をよく見かけます。
例えば知人であるAさん(30歳)が加入している以下のような保険です。
<保険金(もらえるお金)>
①働けなくなった時:240万円/年(~65歳まで)
②死亡した時 :180万円/年(~65歳まで)
③がんになった時 :100万円(一時金)
④先進医療適用時 :2000万円(一時金)
⑤病気で入院した時:10000円/日+50000円(一時金)
⑥成人病で入院時 :上記+5000円/日
⑦がんの薬物治療時:100000円/月
<月額保険料(払うお金)>
①6000円
②8100円
③400円
④150円
⑤3000円
⑥200円
⑦350円
計:18200円/月(約20万円/年)
<補足>
例えば30歳で加入し、40歳で①の保険金が給付されることとなった場合には、40歳~65歳の約25年間のあいだ、年間240万円の保険金を受領することができますので、トータルで6000万円が給付されます。
③~⑦の医療保険は10年更新型で設定しており、10年ごとに保険料がアップとなります。
【見直しのポイント】
前提として、付き合いの関係で、大手生命保険の知り合いから保険に加入するが、保険料を抑えたいというケースとします。
◆死亡保障部分
大手生保はやはり同じ保険金でも人件費がのってる分、保険料が高くなっており、上記の例だと死亡保障部分に月額8100円、年間にすると約10万円も支払うこととなり、仮に35年間続けるとすると約350万円も保険料を支払うこととなります。
ですので、最も保険料の大きい②死亡保障についてテコ入れを検討する必要があります。
例えば、万一の時には遺族年金等が受給されることとなるため、ご自身の収入からもらえる年金額を算出し、その分の保険料を安くするという方法や、同じ保障額でネット生保で加入するという方法があります。
または、思い切って保険で死亡保障は付けずに、“5000万円の投資用不動産をフルローンで買う”という選択肢もあるかと思います。
この場合、万一の時は団体信用生命保険という銀行が加入する保険によって5000万円のローンは完済され、無借金で不動産を手にすることができますので、不動産から得られる家賃収入を生活費に充てることもできますし、不動産を売却して現金化することも可能です。(当然不動産を所有することによる様々なリスクを認識したうえで検討する必要があります。)
そして、保険に加入する場合と違って、ローン返済後の不動産収入がプラスになるケースもありますので、「毎年プラスを生み出しながら」保険を準備できる可能性があります。
◆医療保障部分
そもそも、医療保険は必要なのか?という論点もあるかと思いますが、貯蓄がそれほどない方はとりあえず何かしらつけておけば、大きく困ることはないと思います。
ただし、上記の例では、仮に1ヵ月間入院した場合には、30日×1万円+5万円が給付され、35万円も受け取ることができます。
高額療養費制度という、医療費が大きくかかってしまった場合に国が一部負担してくれるという制度がある中で、果たして本当に月35万円も保険金を貰う必要があるのでしょうか?(貯金も多少あるでしょうし)
であれば、たとえば入院給付の日額を5000円に落とせば、医療部分の保険料は約半額になるかと思います。
まとめ
保険は何かあった時のためのものですので、有事の際に多く保険金がもらえる分には当然良いのですが、そのために日々の家計が圧迫されすぎるのもいかがなものかと思います。
本当に必要な額だけを準備して安く保険料を抑えることが、一番合理的な形だと思いますので、必要保証額を算出するうえで知っておくべき年金制度や医療制度、不動産という代替手段等を把握したうえで、適切な保険内容を検討いただければと思います。
↓参考記事
遺族厚生年金を理解すると生命保険料が安く抑えられます。 - 《FP1級》ぽこごまの保険・不動産・お金のこと
大手生保・ネット生保のどちらに入るべきか?【付加価値とコストの比較】 - 《FP1級》ぽこごまの保険・不動産・お金のこと
不動産の生命保険としての機能について考える【団体信用生命保険】 - 《FP1級》ぽこごまの保険・不動産・お金のこと
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