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遺族厚生年金を理解すると生命保険料が安く抑えられます。

大切な家族のため、万一の時に備えて、民間の生命保険に加入している方は多いと思います。

 

生命保険は、残された家族が経済的に困らないよう準備するものですが、意外にも、そもそも残された家族には公的保険(遺族基礎年金・遺族厚生年金)としてどの程度お金がもらえるのかを把握していない方が多いように思います。

 

生命保険に加入するにあたって、どの程度の保障を準備するかは、

「①遺族が生きていくために必要な費用」-「②遺族の収入」=「③必要保障額」

という考え方に基づいて設定しますが、ここでは②の部分について、国がどのように制度を用意してくれているかを把握するとともに、③の部分を適切に見積もる(削減する)ことで、無駄な保険料を生命保険会社に支払わないよう、検討していきたいと思います。

 

1.遺族給付

国民年金の被保険者等が死亡した場合、一定の要件を満たす遺族に遺族基礎年金が支給され、厚生年金保険の被保険者等が死亡した場合には、同様に遺族厚生年金が支給されます。

 

また、国民年金の独自給付として、一定以上の第1号被保険者期間がある者が死亡した場合、寡婦年金、死亡一時金が支給されることがあります。

2.遺族基礎年金

国民年金の被保険者や老齢基礎年金の受給権者などが死亡した場合、死亡した人によって生計を維持されていた子がいる場合に、その子または配偶者に支給されます。

 

なお、この場合の“子”というのは18歳未満の未婚の子をいいます。(1級・2級の障害を持つ場合は20歳未満の未婚の子)※子がいない場合は遺族基礎年金はありません。

 

もらえる年金額は老齢基礎年金の満額である約78万円をベースに、子の数に応じた加算額※がプラスされます。

※子2人目までは1人あたり22万4500円、3人目以降は7万4800円です。(遺族基礎年金は子のある場合にのみ支給されますので、約100万円は支給されることとなります。)

3.遺族厚生年金

遺族厚生年金の支給対象者の範囲は遺族基礎年金よりも広く、死亡した人の①配偶者・子、②父母、③孫、④祖父母の順に支給されます。なお、先順位が受給する場合には、あと順位は受給することはできません。

 

 年金額は次のとおり、老齢厚生年金の計算式に似ておりますが、遺族厚生年金では被保険者としての月数に“300月”の最低保証があります。

「平均標準報酬額※1」×「0.005481」×「被保険者としての月数※2」×3/4

※1 被保険者期間中の、月々の給料+ボーナスの総額を平均した月額

※2 加入月数が300月未満の場合は一律“300月”として計算

 

加入月数に最低保証300月がありますが、例えば加入して間もなく遺族厚生年金を受給するようなケースでは、昇給が進んでおらず、平均標準報酬額が低いことにより、需給できる年金額も低くなる可能性があります。

 

また、夫の死亡により30歳未満の妻が遺族厚生年金を受給する場合には、5年間の有期年金となります

 

<早見表>f:id:pokogoma:20180611235947j:plain

上記の表でみてみると、例えば保険期間中の平均標準報酬額が40万円(平均年収480万円)で、妻と子2人がいる家族では、遺族基礎年金と遺族厚生年金の合計額として、年額1,888,922円(月額157,410円)の年金を受給することができます。

※子の数の判定には、胎児も含まれます。なお、子が18歳になるごとに年金額は減ります。

 

生命保険の必要保障額を計算するうえでは、こういった公的年金による収入も加味したうえで保険金額を設定し、本当に必要な分だけ準備することで、保険料を抑えることができる可能性があるのです。

 

例えば極端な話、子が双子で0歳だった場合に、上記約189万円は18年間受取ることができますので、トータルで約3400万円の年金を受給することができます。

 

このことを知らずに、保険金額を3400万円多く設定した場合には、(万一の時には役立ちますが)必要以上に保険料を支払ってしまうことで、家計を圧迫してしまいます。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

保険金額を設定するうえで、例えばネット生保などで加入する場合には、こういった内容を把握せずに保険金額を設定し、せっかく安い保険料で必要な保障額を準備できるようなケースでも、多くの保険料を払ってしまいかねません。

 

生命保険の本質は“万一の時に遺族が生きていくために必要なお金を準備すること”であり、その主旨を果たしつつも、普段の生活をより豊かに過ごすことができれば、より合理的な加入の仕方となるのではないでしょうか。

 

この記事を読まれた方が、生命保険に加入するうえで適切な保険金額を設定することにお役に立つことができればうれしく思います。

 

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