賃貸マンションを退去する時に敷金をきっちり返してもらう方法【不動産管理会社とのバトル】
昨日に引き続き、バトルシリーズです。
今回は不動産管理会社vsぽこごまです。
約1年ほど前まで、恵比寿の2LDKの賃貸マンションを友達とルームシェアをしており、2年経過した更新期にシェアを解消したのですが、その際に原状回復費用と敷金精算の件で、管理会社と非常に揉めました。
原状回復をめぐるトラブルについて、費用の負担を賃貸人がするのか、賃借人がするのかといった区分で問題となるケースは非常に多いかと思います。
いざ退去した際に、想定していたよりも敷金がかえってこなかった、ということにならないよう、ぜひご参考にしていただければと思います。
1.退去の経緯
①管理会社と退去日について事前に相談のうえ、土曜日(管理会社営業日)に行うことが決定。ただし、土曜日は管理会社側で所用があるため、立ち合いができないとのことであり、鍵の返却はマンション近くに存する管理会社のポストへ投函するよう指示あり。
②退去日当日、全ての荷物を撤去し、またフローリング等は全面水拭きを実施、特に水回り等については水アカが無いように入念に清掃を実施。
③退去に伴って出た粗大ごみについて、個人でゴミ処理場等で処理すべきか、マンションのごみ置き場においてよいものか、処理方法を現地管理人と相談。
④管理人からは、粗大ごみの回収シールを貼り付けてくれれば、マンションのごみ置き場の指定された場所に置いてよいとの指示あり。後日管理人が回収日にマンションの前に出してくれるとのこと。
⑤室内外、ごみ処理対応を含めて完了し、問題ないことを確認のうえ退去&カギをポストに投函し、管理会社あてその旨メール連絡。
2.トラブルの経緯・争点
<経緯>
①カギのポストへの投函を確認した管理会社から当方へTELあり、「ごみ置いて退去するとは何事か」と怒られる。
②退去時、現地管理人から指示があった経緯等を説明するも激昂して聞き入れてもらえず。とにかくごみが処理されるまでは退去が完了したとは言えないため、敷金の精算はごみ処理完了後に連絡する、とのこと。
③2週間ほど待つも連絡が来ず、管理会社あて状況を確認したところ、退去から1週間後にごみ処理が完了したとのこと。敷金の精算については賃貸人から連絡があり次第追って連絡するとのこと。
④その後、10日ほど経過し解約に伴う精算書を受領。原状回復費として約17万円かかり、預入れている敷金15万円では賄えないため、追加で約2万円支払うよう連絡あり。原状回復内訳としては、クロスの張替え等で約8万円、クリーニング等で約8万円、ごみの管理費として1万円。
⑤国交省が規定する「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づき、室内での喫煙が無いためクロス張替えは賃貸人負担が妥当であること、クリーニング費用のうちワックスがけなどグレードアップの要素があるもの、およびごみの管理費用については賃貸人負担が妥当である旨主張。
⑥約2週間ほど折衝した結果、敷金15万円のうち約10万円が返金されることが決定。
<争点>
今回の争点としては以下のとおりです。
・入居していた我々は非喫煙者であり、友人などにも室内では喫煙させなかったこと。
・ごみ処理はあくまで管理人の指示によるものであること。
・立ち合いを拒否したのは管理会社の都合であること。
<原則論>
まず、敷金は原則返ってくるものです。入居者が善管注意義務(善良な管理者として使用するということ)を守らない場合、過失がある場合のみ費用がかかるものと理解しておくと良いかと思います。
ただし、実際には過失といっても線引きが難しいのが実情です。例えば内壁のタバコのヤニやけなどがある場合には、クロスの張替えも賃借人負担が妥当との判断がなされているようです。
3.不動産管理会社との実際のやりとり
ご参考までに、精算書(追加支払要請)受領以降の、管理会社との実際のやりとりをご紹介させていただきます。
以下:〇ぽこごま ◆管理会社
◆賃貸人より解約精算書の見積りが届きましたので、計算書とお送り致しました。
〇原状回復費用について確認しましたが、賃貸人が負担すべきと考えられる費用が当方あて請求されておりますので、ご確認・修正ください。判断の根拠は、国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」、および本件賃貸借契約書の条文に基づくものですので、併せてご確認いただきたく存じます。
①張替工事:63,000円 (ガイドラインより、室内での喫煙等ないため、賃貸人負担が妥当)
②雑工事:9,400円(①に伴う費用であり、賃貸人負担が妥当)
③「クリーニング工事」のうち、ワックスがけ等にかかる費用:20,000円
④「諸経費」のうち、ハウスクリーニングにかかる費用以外のもの
また、ゴミの管理費用(10,000円)の算出根拠を提示ください。事前の説明を受けておりませんので、支払いいたしかねます。本件、貴方管理人の指示に基づき対応したものであり、費用負担が発生すると事前に分かっていれば、別の手段を取りました。
◆ぽこごま様からのメールの①~③を賃貸人に承諾頂くとして、最終ゴミがなくなるまで、現地管理人さまがどれだけ大変だったか、、、ゴミの管理費用は人を動かすという事の最低料金です。
〇ゴミの管理にお金がかかることを、なぜ事前に説明していただけなかったのでしょうか?当方、引越しの際にレンタカーを借りて、家電等を有料で処理しておりましたので、管理費用がかかるのであれば、当方にて他のゴミと併せて処理することも十分検討しました。当方で処理すれば、1万円もかからずに処理できたかと思います。
◆粗大ごみを本物件に置いていかなくとも移転先で処理処分をする方法もあったと思います。
〇おっしゃるとおりです。ですので、費用がかかるという説明をいただけていればそのような別の手段を取った、と何度も申し上げているのです。後になって、事前説明のない費用を請求するのは、信義則に反すると考えます。
◆引っ越し終了と同時に粗大ごみ等も残らず完了するはずが、引っ越し終了してからあれだけ残ったのは、前以って予約もなく、こちらも聞いていませんでしたし、置いて行かれたという状況と思いますが、それを申し上げている訳です。
〇何度も申し上げておりますが、引越しにあたって貴方管理人に『相談』をした結果、管理人から置いていくように指示を受けたものです。無断でゴミを置いて出たわけではなく、「置いていかれた」という表現は不適切ではないでしょうか。
また「聞いていません」と言われましても、こちらは管理人に相談をしているわけですから、管理人と管理会社との間で、報告・確認が足りなかったのではないでしょうか。
繰り返し質問しますが、相談した際、なぜ費用について説明いただけなかったのでしょうか?
また1ヶ月の管理共益費が10,000円であるにも関わらず、ごみ処理完了までの管理費用が同額である理由についても説明してください。家賃等、日割精算が一般的な慣習かと存じます。
◆粗大ごみをあの場所に置いた経緯が、管理人の話と食い違いがあります。契約は終了していますから日割計算という問題ではありません、ごみが置かれている期間、管理人様に少なくとも迷惑をかけてしまったとぽこごま様は思いませんか。
〇管理人様には、日ごろより大変お世話なりましたし、また退去時のゴミの件ではお手数をおかけしましたので、心より感謝しております。最後にゴミの件で相談をした際、嫌な顔せず、心優しくご対応いただきました。
〇先ほどお電話をさせていただき、改めて感謝の気持ちとお詫びを申し上げました。次回の賃借物件退去時は、管理人様にご迷惑にならないよう、事前にごみ処理するよう気つけたい、と感じた次第です。
〇管理人様にはご迷惑をおかけする形となり、申し訳ない気持ちがございますが、事前に相談があったことについては管理人様もご認識されており、私が貴方にご説明申し上げているとおりでした。この点を踏まえますと、仮に事前にゴミの管理費が発生する点説明をいただいていれば、当方別の処理方法を取ったことに変わりなく、後になって費用として請求される点については納得できない、という結論を覆すものではありません。
〇私は管理人様に大変感謝しておりますが、事前説明のない費用や賃貸人が負担すべき費用を請求する貴社に、大きい不信感を抱いています。
◆今後どの建物に住まわれても、管理人への感謝の気持ちを忘れずにいてほしいと思います。改めて精算書を送ります。→10万円の返還が決着。
・・・正直、なんだこの謎のハッピーエンド風の決着は、、、と思いました。
最初から請求されるべきでないものを請求され、かつ折衝に時間を取られ、損害金を払ってほしいと思ったくらいです。
4.まとめ
今回のケースでは、そもそも管理会社が立ち合いを放棄しており、ごみの管理については現地管理人の指示通りに対応した結果であるにも関わらず、理不尽に怒鳴りつけられ、しまいには悪質な請求がありました。
おそらく数多くの原状回復を扱っており、賃貸人が負担すべきと考えられる費用についても理解しているはずなのに、賃借人が無知なのをいいことになんでもかんでも請求してくるのです。
原則、敷金は返還されるものと理解し、納得いかない精算であった場合には、国交省のガイドラインを参照されることをオススメいたします。
ちなみに同居人からは「良くやった」という労いの一言こそもらいましたが、敷金はきっちり割り勘としました笑
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