うめきた2期の事業者決定と今後の大阪についての所見
こんばんは。
JR大阪駅北側の再開発地区「うめきた2期」の開発事業者が三菱地所を代表企業とするJVに決定し、注目を集めています。
私は2006年頃(18歳)から大阪で一人暮らしをはじめ、学生時代はずっと梅田でバイトをしていましたが、当時(12年前)のJR大阪駅北側というと、非常に広大な敷地の貨物線の乗り入れ場所があり、都会のど真ん中なのになんなんだろう、という違和感を覚えていたのを強く覚えています。
↓ちなみにこの広大な敷地がうめきた2期の対象区域です。
空中庭園(画面上部中央やや左に位置するツインタワーのビル)に向かう際は、この広大な敷地をいつも不思議に思っていたのが懐かしいです。
そうこうしているうちに、2011年にJR大阪駅北側に「ルクア大阪」が開業、北側に活気が少しでてきたかなぁというなかで、2013年にうめきた1期のグランフロントが開業したことで、大阪駅の北側を歩く機会が非常に増えたことを覚えています。
そういう意味では、今回のうめきた2期については、さらに北側にヒトの流れが強くなる開発案件であると同時に、梅田の数少ない一等地において、広大な敷地を使ってどんな作品を仕上げるのかによって、今後の大阪がどの程度にぎわっていくかを左右するといってもいいほど、重要な開発案件であると思います。
また、今回のうめきた2期については、その広大な土地の広さと、その中での緑の敷地が再開発の1つの特徴かと思いますが、この敷地を挟んで梅田から少し離れていた空中庭園(梅田スカイビル)の方面にとっても、面的な広がりを考慮すれば好材料なのではないかと思います。
<開発概要について>
中心部分の約4.5haの都市公園を挟んで、北街区(敷地約1.5ha)、南街区(敷地約3ha)の民間宅地を開発する形となっており、民間宅地では、ホテル、イノベーション施設、プラットフォーム施設、オフィス、商業施設、都市型スパ、MICE 施設、分譲住宅、駐車場などが整備される予定です。
◇南街区「世界からのビジネス・観光を促す高度都市機能複合集積ゾーン」
延床面積:374,660 ㎡
S 造(一部 RC、SRC 造)地上 39 階地下3階・高さ 182m
RC 造(一部 S 造)地上 51 階地下2階・高さ 185m
◇北街区「新産業創出と産官学民の交流ゾーン」
延床面積:146,900 ㎡
S 造(一部 RC、SRC 造)地上 28 階地下2階・高さ 150m
RC 造(一部 S 造)地上 47 階地下2階・高さ 176m
<今後の大阪オフィスに関する私見>
今回うめきた2期は大阪梅田に残された一等地を一体的に再開発するものであり、グランフロントによる大阪梅田の北側周辺への人の流れが加速するとともに、オフィス機能も梅田周辺に集積していくのではないかと感じています。
一方で、大阪は新規の供給ビルが少なく、淀屋橋から難波にかけて商品の品薄感から、空室率低下によって緩やかながら比較的堅調な賃料の増加傾向が見込まれています。
当然今後の開発動向にも左右されますが、梅田周辺については引き続き底堅い需要であるとともに、淀屋橋から難波にかけても同様に底堅く推移するのではないかと思います。
大阪ビジネスパーク(OBP)周辺については、こうした動きのなかでこのままで果たして存続していけるのか、といった点は若干懸念されるかと思います。
うめきた2期については6年後というまだまだ比較的足の長いスパンですので、引き続き注視していくとともに、大阪については2025年の万博やIR誘致についても併せて注目していきたいと思います。
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