不動産の生命保険としての機能について考える【団体信用生命保険】
こんにちは。
私は、2015年頃から不動産の仕事をしていますが、最近、部の中でローテーション(担当替え)がありました。
不動産部門の収支や決算業務を行うグループから、個別ビル(オフィスビル)の新規取得・再開発・建替え等の業務を担当するグループへ移ることとなりました。
まだ担当が変わって間もないですが、物件の新規取得・再開発・建替え等の業務を行ううえで共通して必要となるのは「採算性の検証」です。
仕事外でも、色んな物件を見て、実際に採算性を検証し、不動産マーケットの感覚を掴むために、(オフィスビルではありませんが)ワンルームマンション等の投資用マンションの購入を検討すべく、不動産会社の担当者と面談を実施しました。(もちろん冷やかしではなく、収益性の高い良い物件があれば、実際に投資することも考えています。)
やはり話をしてみると、不動産価格は高く利回りが低いな物件ばかりで、実際に投資するまでには至っておりません。
今日は、不動産の営業担当と面談するなかで、必ずといっていいほどPRされる、以下のセールストークについて考えたいと思います。
◆投資用マンションは生命保険の代わりになる。
※他にも、節税対策になる、ゆとりある老後の備えになる、など気になるセールストークが多くありますので、今後、本当にそうなのか?という観点で記事化したいと思います。
投資用マンションを購入する場合には、ローンの借入れを行って物件を購入することが多く、その際には、団体信用生命保険に加入することが一般的となります。
団体信用生命保険は、ローン契約者が返済中に死亡また高度障害になってしまった場合に、ローンの残額を肩代わりしてもらえるローン専用の保険です。
これにより、例えば5000万円の物件を購入し、契約者に万一のことがあった場合には、ローンが無い5000万円の物件が残ることとなるため、残された家族がローン返済で経済的に困らないようになります。
また、残された物件は一定の収益を生み続けることとなり、また、売却してキャッシュに変えることも可能ですので、生命保険の一種であると言えます。
一方で、団体信用生命保険は、いくつか注意すべきポイントがあることはご存知でしょうか。
団体信用生命保険では、基本的には死亡または高度障害の際にローンが完済されるのですが、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)や五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)の際にも完済されるようなタイプもあります。
ですが、それ以外のケースで、住宅ローンを返済できなくなってしまうリスクがあります。
それは、病気やケガで長期間にわたって働くことができなくなってしまった場合です。
このような場合には団体信用生命保険でローン完済がされないことに加え、本業からの収入も途絶えてしまうことにより、生活費+ローン返済という、経済的に非常に厳しい状況に陥る可能性があります。
働けない期間が長期間に及び、収入が大幅に減少したなかで、毎月の住宅ローンを返済し続けていくことはできるでしょうか。
不動産購入により団体信用生命保険に加入することにより、確かに単純な死亡保障と比較した場合には生命保険としての機能を備えることとなりますが、医療が発達している現代では、ある意味で、生き残る可能性が高まっているとも言えます。
時代に併せて生命保険も形を変えており「介護」「就労不能」などに備えることも、保険の加入にあたっては十分に検討する必要があるといえそうです。
以上
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